2017年 01月 27日
俳句の力~余韻の文化~
1月27日(金)
今日は、学部と、交換留学(短期)の学生の最終授業の日でした。
金曜日の 朝1時間目だというのに
頑張って通ってきた 日本語上級Dクラスのみんな。
このクラスでは、「俳句」も教えました。
日本文化の大切にしているものの一つが
季節感
このことを「俳句作り」を通して伝えます。
冬が来た 朝寒すぎて 起きられない(ベトナム女子)
「冬」と「寒い」は同義なので
→ 冬の朝 おふとん私を 離さない
「起きられない」のは、自分の視点。
お布団を主語にすることで、「起きたいのに 起きられない…」という
葛藤が響きます。
春休み 家族に会えて 最高だ(ネパール男子)
「最高だ!」「悲しい」「嬉しい」などの、気持ちを表す言葉は
なるべく使わず、言葉の組み合わせで感じてもらえるようにします。
→ ふるさとの 家族が待ってる 春休み
この助詞を一つ変えると
→ ふるさとの 家族も待ってる 春休み
登場人物が増え、思いのつながりも広がります。
助詞を一つ変えるだけで、こんなに豊かになるのです。
教科書の文法事項で「助詞は大切!」と、百万回教えるより
俳句つくりを通して「ほら、こんなに違うでしょう」と
実感してもらうと、「助詞一つも おろそかにできないんだ~」と
伝わるようです。
これは、日本の子供たちへの「俳句」作りと全く同じ。
言葉の力、日本語の美しさが、詩歌には溢れています。
字数に制約があるからこそ 余白が余韻となって響きあう・・・
日本文化の奥ゆかしさを
そっと、
でも 確かに 伝えていく・・・
それが詩歌の持つ力です。
こうして、練習を続けた最終試験。
もちろん、「俳句を作ってください」問題もありました。
・雪のダンス 動画で贈るよ ベトナムへ (ベトナム女子)
・夢のため 日本で一人 旧正月 (中国男子)
上級クラスでは、毎年最後に
アンジェラアキさんの『手紙』を 一緒に歌います。
そして、10年後の自分にあてて、ほんとに手紙を書いてもらいます。
そして、それは、私が10年間保管。
10年後(2027年)の旧正月に届くように、ポストに投函するのです。
住所は?
ふるさとの10年後も引っ越していなさそうな住所を書いてもらいます。
(どうしても、引っ越してしまったら、メールで連絡してもらいます)
10年後、その手紙を読んでいるみんなが
幸せなことを 願います。